オタクは世界を救えない

『神様になった日』一話感想、麻枝復活祭

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 俺たちの麻枝が帰ってきた! のでやっていこうかと思います。

原点回帰

 原点回帰、というのが今作のお題目らしい。AB!、Charlotteで妙なバトル設定とかバンドとかで新しいことに挑戦した結果クソアニメ扱いされたことが嫌だったのか、ゲーム時代の作風に戻って作品を作りますってのは随所で言われているところ。
 まあ昔の作風っていうとつまり、前半はギャグ、後半でシリアス、主な感動要素として人が死んだりループものだったり、という感じか。まあ普通にやっても時代遅れ感があるが、逆に麻枝准に新しい物を求められるかって言われたらそうでもないし、これでアニメに麻枝が通用するかどうかは見物。

会話のテンポが良い

 バックグラウンドの話はあんまり調べてないので、普通に本編の話。
 まずギャグメインということもあって、掛け合いのテンポがすごい良いよね。ギャグをもったいぶったりせずにポンポン放り込んでくるのでギャグの数がえらいことになってる。コミカルな動きと声優の演技も相まって、主人公と佐藤さんの掛け合いがかなり面白い。

 あとは会話だけでなく、競馬の予想を当てるシーンや伊座並さんに振られるシーン、野球が始まるシーンと終わるシーン、伊座並さんが美少女ですよのシーン(隣に男子が座ってすぐに別の席に移るやつ)などなど、とにかく間を空けずにテンポを詰めていこうという意志が見える。

どうせループものだろ

 麻枝の時点でそう疑われてしまうのが悲しいところだが、実際たしかに九割方ループものだと思う。ちなみにループものを示唆する要素としてはいくつかあるけど、

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 入ったかどうかわからないバスケットボールのカットとか、すごくそれっぽいと思う。ループ後に入ったり入らなかったりすると熱いやつ。
 あとは野球もそれっぽいかもしれない。今回は全見逃しで終わったけど、ループで打てて伊座並さんをあっと言わせたりとか(ループで野球に何回も挑戦とかリトバスか?)
 他には佐藤さんの予知能力が、単に前のループを記憶してるだけとか(でも競馬なんていちいち記憶しないだろうしさすがに違うかな)。それを除いても佐藤さんの言動はだいぶ怪しい。最初の会話で「迷子ではない!」「交番に連れて行っても無意味じゃぞ!」とか言ってるのも主人公の対応を予知か記憶している雰囲気あるし。バスケとか競馬は知らんのに野球とか吾輩は猫であるは知ってるし、知識偏ってるのとか気になる。(ただのガバだったら笑う)
 あとはそうだな、一話はテンポ良いといっても話自体はそんなに進んでない日常シーンまみれなので、ループして繰り返す描写をする用の日常シーンを置いといたって感じも。

野球回

 麻枝恒例の野球回(不評)を一話に出したことを、未だにセルフ縛りをやっているとマイナスに捉えるか、逃れられないカルマを一話の短いパートで消化できたとプラスに捉えるかでだいぶ変わる。ちなみに俺はもう野球から逃れられないと思っているので、一話で消化したのは偉いと思う派です。でもループ次第ではあと何回か出てくる可能性もあるんだよな……

予知能力を主人公が信じるようになる過程について

 主なシーンは三つ。雨が降るのとバスの遅れを当てるシーン、競馬のシーン、親が泊まりを了承するシーン。見てる間は一話の最後にどでかいやつが来ると思ってたけど、案外最後のはしょっぱい感じでしたね(作中の主人公はかなりビビってたが)。

 んでこれ系の「フィクション故に視聴者はそれが本当だと知っているが、登場人物たちは当然すんなり受け入れられないので何かしらの印象的なシーンで信じるきっかけを与えないといけない」問題(長い)をどう終わらすかって重要だと思うんだけど、まあ基本的には量より質だと考えてるんですよね俺は。つまりそれらしい要素をいっぱい入れるより一番印象的なシーンをドンと出してあげる的な。
 今作はそんなにドンではないんですよね。なんか地味。まあ本格的なのはそもそも「神様」の意味が明確になるシーンだろうから、まだ先なんでしょうかね。いやーでもCharlotte一話が結構よかったし、ギャグの方のテンポがすごいからこの辺も一話でドドンとやられると思ったから、はっきり言ってちょっと拍子抜けした感もある。

伊座並さんが可愛い

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 まだちょっと頭角を現していないがこいつはいい女だと思う。顔がいいのと言動がはっきりしてるのが好感。ギャグにも活きる。後ろから見た髪の毛が好き。
 主人公が伊座並さんを好きなのも好感度高い。麻枝作品で最初から主人公が特定の女に好意寄せてるのって初めてじゃない? この辺を上手く扱えると主人公も伊座並さんも味のある感じになると思う。
 でもあれですね、ループだかセカイ系だかで片思いのキャラってだいたい悲惨なポジションのキーパーソンになる印象がある。伊座並さん死ぬんじゃね?

 ちなみに個人的一話の伊座並さんポイントは、佐藤さんに「成神くんのちょっといいとこ見てみたい~」で囃し立てられてついて来ちゃうところ。ちょっといいとこ、見てみたかったんですかね。

ED歌詞について

 歌詞全部はアップできないので気になる人は自分で調べるかちゃんと聞いてみればわかるんですけど、「ゲームみたいにリセットで、初めからやり直せたら」っていう歌詞があるのでループモノ示唆ですね。ただ、やり直せた"ら"なので、もしかしたら大方の予想を逆手に取ってループしない可能性もありますね。歌詞全体に過去を後悔してる感じがあったりとか、なにも知らないで旅立つとか書いてあったりとか、どっちとも取れそうだしまだ深読みできる段階じゃない。

まとめ

 悪くない。ギャグは良い。見ていて楽しい。佐藤さんはギャグに振れてたからあれだけど、キャラの表情が豊かでコミカルな動かし方はきっとキャラ萌えにもそのうち活きてくる。女がいいアニメはいいアニメ。

 問題があるとすれば、話自体はほとんど進んでいないこと。会話のテンポはいいけどストーリーの方のテンポはこれからの話ですね。でもギャグメインの日常を濃く描いていく、変な冒険をしない、っていうのは逆に安心感があっていい原点回帰をしているかもしれない。(てか今気づいたけど、そもそも『原点回帰』ってワード自体がループモノ示唆じゃないの? それ考えてドヤ顔でアピールしてたらちょっと笑っちゃうほど浅いけども)