くだらねえオタクの話をする

『映画大好きポンポさん』感想、最近太り気味のオタクたちへ

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概要

 『映画大好きポンポさん』とは、数年前からpixiv上で公開されている漫画。作者の杉谷庄吾は本業がデザイナー? けどAmazonなんかで見ると漫画も結構描いてる感じ。俺はpixivでの漫画事情ってのをよく知らんのだけど、かなりのPV数を持ち続刊やスピンオフも出てついでにアニメ映画化も決定しているということでその手の人の中では有名なコンテンツなんだろう。ちなみに俺はなにも知らずに電書を買った口だけど、一巻とスピンオフは無料で読めます(https://comic.pixiv.net/works/3728)。二巻は買わないと読めません。

 どんな話なのかというと、敏腕ロリ映画プロデューサーのポンポさんが、新米映画監督で他になんの取り柄もない映画オタクのジーンくんや、クソ田舎生まれで労働に忙殺される中オーディションを受けまくっては落ちまくってる女優志望のナタリーをけしかけてハリウッド(作中ではニャリウッド)で映画を撮るというお話。
 ウリは可愛いキャラと映画製作者視点(ポンポさん)による映画論。そしてなによりも、コンパクトで気持ちよく完結するそのスマートさ。二巻は出てるものの話自体は一巻で綺麗に終わっており、二巻は二巻で続編として上手く作られているし、スピンオフも単体で見て面白い。この辺は作中で散々語っている映画の作り方ともリンクしており、さながらそれぞれが一本の映画のように独立して見ることができる。

ぶよぶよした脂肪だらけの映画は美しくないでしょう?

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 正直な話をすると、これがなかったらわざわざ記事にしようともそこまで推そうとも思わなかった。まあ他の部分も面白いし二巻で出てくる闇落ちジーンくんも好きなんだけど、別にクリエイターモノの漫画なんていくらでもあるし、そこで語られる創作論も逐一取り上げるのが面倒なくらいには創作界隈に溢れかえっている。良い悪い以前に、それぐらいクリエイターモノは俺たちが生きるオタク界隈で飽和している。だからただのモノ作りをする話ってだけじゃなくて、何かしらフックをくれと常々言っているわけですね。

 で、『ポンポさん』が持つフックはこれ。俺はもう映画なんて二時間越えるものが当たり前だと思っているし、映画オタクのジーンくんも長い方が嬉しいなんて言っちゃう。でもポンポさんは二時間越えの映画が嫌いらしい。長い時点でもう駄目。
 なんでも、子供時代に映画監督であるお爺さんに縛り付けられ映画地獄を経験した彼女にとって、長い映画というのはただそれだけで欠点であり退屈に感じてしまうのだという。
 奇遇なことに俺もアニメを見ていて同じことを感じたことがある。大きな子供である俺たちは、今となっては12話のアニメすら見ることが苦痛であり、なんなら3話まででそのアニメを見終わった気になってしまうことなど日常茶飯事である。

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 そして俺はポンポさんの信者になった。まったくもって彼女の言う通りである。世の中のわかったつもりでいるオタク全員に彼女の言葉を聞かせてやりたい。ボリュームが多いことはその作品の面白さとは関係がないのだ。
 見ろ、予算にかまけて無駄に尺を食い潰した2時間越えのアニメ映画や、意味もなく2クールもやったあの深夜アニメ、重ねた巻数や一冊の分厚さばかりが自慢のヘヴィノベル(笑)。やつらが大きく見えるのは内に秘めたクオリティのせいじゃない。あれは筋肉じゃない。ただの脂肪だってことは、少しぐらい物語をかじったことのあるオタクならすぐにわかるんだよ! だからAngel Beats!Charlotteは2クールあれば良くなってただなんて言うやつは今すぐポンポさんに土下座しろ! これ以上脂肪を増やしたって麻枝が生き返ったりはしないんだ!

まとめ

 そんな感じで、『映画大好きポンポさん』は彼女をタイトルに据えた作品にふさわしく、一巻完結でスマートかつ綺麗にまとまっている。まるでポンポさんの無駄を排した小さく可憐な容姿のように、無駄な脂肪のまったくない作品だと言えよう。