オタクは世界を救えない

ジャンクスポーツでeスポーツが取り上げられた話をする

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 なんか昔はよく見てたジャンクスポーツとかいう番組で、eスポーツが取り上げられるっていうんで、見てみたんですよ。まあそんなに尺が割かれてるわけでもなかったし、出てるのが格ゲーの人で俺はあんまり知らなかったので、「ふーん」ぐらいに見てたんだけど、他にネタもないしなんかちょろちょろと話題に上がってるみたいなので自分の感想でも書いてみるかと思った次第です。あと英語的には正式名称をesportsって書くらしいですよ。番組内ではeスポーツだったんで今回はそっちの表記で。

 ちなみに俺はゲームは好きだけど、別にeスポーツ界隈の人間ってわけじゃないし、大会に出るほど強いわけでもなければ、観戦の方もやってるゲームの大会をちょくちょく見る程度。一番やった競技性の高いゲームはオーバーウォッチで、その頃にDeToNatorってプロチームを応援し始めてから、もっとこういうの流行ったら面白そうだねーって思ったのがeスポーツを認識した最初ですかね。だから知識とかそういうのはないんで、内容とか期待しないでください。あくまでも感想なんでね。

番組内での印象

 出演したのは格ゲープロの「ももち(男)」と「チョコブランカ(女)」。まあこの二人の経歴とか突っ込みどころとかはよく知らないし格ゲーとか一ミリも触れたことがないのでスルーしとく。

 で、番組冒頭で二人が紹介された際に浜田が一言、「スポーツ番組ですよ!?」と放ったのがまあ世間からの厳しめの印象というか、そういう扱いなのを垣間見るところ。しかしその後に武井壮からの「いや今すごいんすよeスポーツっていうのが」というフォローでなんかパンピーVSオタクみたいな形になる。ぶっちゃけ台本なのかなーともちょっと思ったけど、武井壮の好感度と一緒にeスポーツへの興味も上がっていくような流れ。

 そんでしばらくは他のアスリートがトークの中心で、eスポーツ夫妻が取り上げられるのは最後。
 その取り上げられ方はというと、今どれくらいeスポーツがスポーツとして認められ始めているのか、そしてその収入や、高学歴でもプロゲーマーに、アナウンサーがゲームの実況解説に、などの世間からの目線を気にしたものから、実際にどういったゲームがあるのかという紹介(LOLやPUBG、ハースストーンなんかの“オタク”的有名どころが出てきたのが好印象)。
 番組がジャンクスポーツなだけに、「なぜスポーツと呼ばれているのか?」という点に強く着目していましたね。そして次に「賞金額」。金の匂いを嗅ぎつけた吉本がeスポーツに手を出し始めたってのが茶化されて取り上げられていたけど(ちなみにDeToNatorも関わってます)、やっぱり賞金額の高さがフィーチャーされるのは、そのジャンルを知らなくてもダイレクトに凄みが伝わってくる点から仕方のないことかなとも思う。eスポーツに限らず他のスポーツもそこは似てるしね。

 気になったところとしては、「なぜスポーツと呼ばれているのか?」という浜田の問いにももちがあんまり上手く答えられてなかったこと。まあプロゲーマーにバラエティ力出せってのはお門違いなんだけど、やっぱり番組に出るからには喋れる人材が欲しいところ。トークはほとんど嫁の方が担当してたんで、実績担当とトーク担当で出演したのかな。正直、こういう番組にプレイヤーと並べて解説者とか一緒に出してバリバリ喋ってもらったらどうなるのか、とかちょっと思う。

ゲームでも運動量が多い

 って、武井壮が力説してましたね。「そもそも運動してないしスポーツとは言えなくない?」に対して、「いや、射撃とかも運動量ないけどスポーツだし、eスポーツもめっちゃ腕動かしたりするからスポーツ並の運動量がある」という反論。まあ間違っちゃいないんだけど、射撃を運動量の少なさで指摘してるのに、eスポーツを持ち上げるために運動量が高いって主張する必要はないのではと思う。確かに海外ではゲームのために身体を鍛えてる選手もいるぐらいだけど、ぶっちゃけ運動量で他のスポーツと比較しても勝負にならないだろうし、だいたい勝負する必要もないでしょう。

 普通に「競技性が高いからスポーツ」じゃダメなのかなっていつも思う。あとそもそも論で、スポーツって呼称にこだわる必要もなければ、スポーツって言葉の定義もどうでもいい。理由はよくわからんけどスポーツって呼ばれ始めてそれが定着してきてるんだからってのじゃダメなんすかね。オタク用語とかでも思うんだけど、言葉の定義で争うとかクソくだらなくないですか。伝わればなんだっていいと思うよ。

ボクシングと将棋を同時にやっているようなもの

 と、チョコブランカ氏。これがネット上では「ボクシングのチャンピオンがいる場でそれを口にするのはボクシングを馬鹿にしすぎでは?」と大人気。くだらないっすね。じゃあプロゲーマーがいる場でeスポーツを馬鹿にした浜田はなんやねんと。そしてその言葉自体がナチュラルにゲームを下に見てるやんけと。あと将棋にも触れてやれよと。

 まあ誰が馬鹿だとかどのスポーツが下とかゲームにボクシング要素はねえよとかそういうのは些細なこと。俺が一番気になるのは、そもそもなんで他のスポーツ比べるんだよ、というところ。
 まあ例えを出した方がわかりやすいのはもちろんだけどね、別にゲームはゲームでいいでしょ。だいたい同じゲームでも格ゲーとカードゲームなんかじゃ天と地ほど違うし、なんか例えとか表現をこねくり回すよりももっとダイレクトに面白さが伝わるようになるといいと思う。俺にはなんの答えも思い浮かばないけどな。

なんで俺がeスポーツ観戦するか

 プロシーンに限らず、ゲームの配信や動画を見る人には二種類いると思う。プレイヤー勢と、動画勢ってやつですね。
 俺はほとんど前者。実況動画みたいのは別だけど、大会とか上手い人の動画は、基本的には自分がプレイしているゲームのしか見ない。オーバーウォッチもシージもロケットリーグもスプラトゥーンもシャドバも、自分がやってる間は見まくってたけど、自分がやめてからは全然見なくなってしまった。
 ただその中でも、オーバーウォッチは大会もちょくちょく見てて、それはなんでかっていうと、推しチームのDeToNatorが大会に出てたから。あそこは途中でメンバーがだいぶ入れ替わったりしてたんだけど、それでも応援はし続けてた。趣味が野球観戦とかサッカー観戦って人がいるけど、そういう人ってだいたい応援してるチームがいるわけ。田村ゆかりだってサッカーの他の試合見ないのに福岡はガン押ししてるじゃん、そういう感じよ。
 面白い試みとして、オーバーウォッチの世界大会であるオーバーウォッチリーグでは、それぞれのチームが一つの地域の代表として出場していて、チーム名にも「ロンドン・スピットファイアとか「ボストン・アップライジング」とか付けて、まるでサッカーのプロチームみたいになってる。まあ俺は見てないしどれくらい成功してるのかも知らないけど、これなら応援するチームとか決めやすいでしょ。サッカーのワールドカップとかもそうで、日本人はとりあえず日本を応援しとけばいいから見やすいってのはあると思う。プレイヤーじゃない人は上手いプレーとか見ても正直わからんだろうし、ゲームそのものからはちょっと離れたとしても、その辺のゲーム外の部分でアプローチすることは流行るきっかけとして必要な部分でしょう。

 けれども逆に、やっぱりプレイ経験があるのとないのとじゃeスポーツ観戦をして楽しめるかどうかにかなりの差が出ると思う。何が問題かって、そもそもゲームはルールからして分かりにくい。玉を敵陣に叩き込めば点が入るとかいうゴリラ仕様の球技に比べて、ペイロードだとかドミネーションだとかはまず勝利条件も初見じゃわからない。おまけに人間がやるスポーツだったらなんかめちゃくちゃ速い玉を打ってるだけでもこいつパねえってなるけど、よくわからんキャラがミサイル打ったりハンマー持って突進したりくるくる回りながらダイブしたところで、そのゲームを理解してなければどこで盛り上がればいいのかわからない。一般層に受け入れられたいなら、その辺はかなりの課題として立ちはだかるんじゃないんですかね。

まとめ

 まあでも、最近のeスポーツの取り上げられ方は目に見えて勢いがあるし、実況動画や配信も人気があるし、放っておいても今より地位が向上することは確かだと思う。
 ただ、そもそも一般ウケを狙う必要があるのかとか、観戦者数よりもゲーム人口を増やす方が先じゃないのかとか、方向性の問題は山ほどあって、それはたぶん実際に関わっている人たちが真剣に考えていることだと思うので、俺には語れるほどの意見はないっすね。

 そしてジャンクスポーツの内容はともかく、そこで取り上げられたという経験は業界にとってかなりの影響でしょう。ちなみに今日職場でちょっと話が出てきたけど、主婦層の反応はやっぱり「今はゲームでも結構稼げるんでしょ?」でした。俺もゲーム実況で荒稼ぎしてーよ。

 あと最近配信者の影響でLOLを始めたんだけど、これ時間もってかれすぎてヤバいね。ブログサボり始めたら察してくれな。