くだらねえオタクの話をする

『りゅうおうのおしごと』最終回まで見た感想とか

りゅうおうのおしごと! (GA文庫)

 そもそも俺は、アニメ化前からりゅうおうはいくつかの問題を抱えていると思っていたし、実際そのとおりになったわけで、まあ個人的にはなんとも言えない評価の作品となった。

 一言でいうとロリ重視のアニメりゅうおう。良い意味でも悪い意味でもそれに尽きる今作について、最終回まで見終わったところで適当に語っていきたい。

 

尺の問題

 まずはここに触れないと話にならないやつ。前に猿でもわかる話数予想をしたけどその通りになったのでマジそれなって感じ。最近の俺は尺に敏感だなと自分でも思うのだけど、りゅうおうは誰だって敏感になるぐらいキツキツの尺回り(一巻二話ペース)で立ち回っていたので心底その辺の問題を実感した。

 大昔のアニメは、原作改変なんて日常茶飯事で、それでも名作とか呼ばれるものは大量に生まれていたという。しかし昨今、原作を忠実にアニメ化してこそなんとやらみたいなそういう意見が増えてきている。俺は面白ければどっちでもいいのだけど、ぶっちゃけ世の中の大半のアニメがつまんねえ以上、原作どおりやった方がファン心理的にもプラスに終わる可能性が高い、とも思う。

 なにが言いたいかっていうと、りゅうおうは1クールで一区切りのつく五巻までやらんといけないという尺の都合上、原作改変(というか単なるカット)の必要性に迫られた。問題は、それがアニメから入ってきた勢からすると割と違和感なく成功していて、逆に原作勢からすると失敗なんじゃねーかと思われているところ。

 原作勢的には、りゅうおうの見どころはガチの将棋だと言う人間が多いと思う。対局シーンもそうだけど、将棋業界に携わる人間の現実的なシリアス話やババアが必死に将棋にしがみつく様が評価されており、ロリから目を逸らしたババアメインの三巻や、主人公が頑張る五巻がよく話題に上がるのもそういう理由がある。

 対して、アニメでは初期の原作にかなり忠実な作りとなっており、とてもいっぱいロリが出てくるババアやチンコの対局シーンをカットしまくってJSメインの構成にしたのは、まあ悪くはない戦略。JSはアニメ映えするし、話題性もあるし、なにより将棋よりも扱いやすい。どうせ全部を描写しきれないのであれば、手っ取り早くオタクが食いついてくれるロリに力を入れるのは、全然間違った選択ではない。実際幼女描写は強い方に感じたし、それ目当てに見ている人間の多くはアニメりゅうおうを面白いと評価しているのも事実。

 要は取捨選択をしたっていうだけなんだよな。それで好き嫌いが出てしまうのは仕方がない。ただまあ個人的な意見を言わせてもらうと、ロリと将棋、つまんねー方を選んじまったなって感じ。

主人公の問題

 あとこれね。主人公の取り扱いね。

 ロリがメインのお話で、終盤になるとロリの霊圧が消える。せっかくロリの英断を下したというのに、五巻の処理をまったく考えていないのは普通にお粗末でしょう。見せ場をカットされた上に気の抜けた対局シーンぐらいでしか棋士としての存在を放っていない、いわばロリのお供えものでしかなかった主人公が、いきなり頂上決戦とかされても「はあ?」となるのは目に見えてる。挙句の果てにJSを暴行、JCを強姦ともなれば視聴者の反感は必然。

 そもそも主人公が将棋星の生まれで、才能だけで言えば作中の大半の人間をぶち殺せるレベルだというのを把握しているアニメユーザーがどれほどいるのか。地味に毎巻対局シーンを用意してもらって実力をつけ、満を持して繰り出された五巻と、幼女と遊ぶだけ遊んでたらいきなり名人が現れたよくわからんアニメの終盤、どちらが主人公に肩入れできるかは明白。

 アニメがロリに力を入れてチンコの見せ場を削るのであれば、五巻も主人公の対局を削るべきだったのである。それをしなかったから10話なんかはボロクソだったわけで。原作だと主人公がボコされて鬱病になるシーンとかは割と上手く書けてたと思うし、JSやJCなんかが途中で主人公の足枷に感じる辺りは説得力もそれなりにあった。ここを上手くやれてこそ五巻までをアニメ化した意味があるのだけど、上手くやれていないので、単純に評価としては微妙ですねと言わざるを得ないわけ。

将棋はアニメ映えしましたか?

 俺はしていなかったと思います。

 アニメ化でロリをメインに据えたのは戦略的にアリだと思う、その理由の一つが、そもそも将棋をメインに据えたところでそこまで盛り上がるのか? という疑問があったから。

 ぶっちゃけ将棋って絵的にはめっちゃ地味じゃん。パチ、パチ、王手! クソつまんねーんだよな。そこでクリエイターの力量が問われるわけだけど、りゅうおうの制作陣はロリパワーが高い代わりに将棋パワーは低かったように思える。

 思い返せば、白鳥史郎はかつて農業をテーマにしたラノベを書き、俺に「農業はストーリー映えしねーよ」と思わせた男。その男が今度は「将棋はアニメ映えしねえよ」と思わせてくる。マジでいい加減にしてほしい。ちなみに将棋はテキスト媒体だと結構相性がいいみたいでそれなりに読めるものとなっているわけだけど、やっぱりアニメだと何やってるのかよくわからんし、登場人物が「おおっ」と驚いてもまったく驚きが伝わってこない。なまじテキストではちゃんと説明がされている真面目な対局シーンなだけあって、超人将棋みたいなファンタジー演出でお茶を濁したりできないのも難しいところ。(漫画版だとわりかし疑似バトル的演出で表現しているようだけど、見たことないのでわかりません)

 ヒカルの碁なんかは適当に「神の一手!」とか言ってるだけでめちゃくちゃ盛り上がってたけど、どういった表現手法によって神の一手があそこまで面白く描けてたのか、マジでわかんねーんだよな。そういう感じ。

雑感

 で、元々アニメりゅうおうは楽しみに見るというよりもコンテンツ的にどういった扱い方をされるのかが気になっていたものなので、こういう結果になったのはあまり面白みがないな、とも思う。まあそれも予想の範疇ではあるけど、ありがちな良作程度に留まっちまったなと。野次馬的観点から言わせてもらえば、ロリに寄せるならもっと激しく寄せてしまってもよかったのでは、というところ。

 そういえば原作もアニメに合わせて最新刊が出たようで、現在最新の八巻ではなんとアニメでほとんど出ていないキャラがメイン。しかも容量の半分が既出の短編集とかいう非常に経済的な作品に仕上がっています。デビュー作の最終巻といい、のうりんの間に合わせ巻といい、白鳥史郎は短編集が好きなのかもしれない。

 

 

「りゅうおうのおしごと! 」Blu-ray vol.1(初回限定版)

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