くだらねえオタクの話をする

壺ゲー「Getting Over It」をクリアした話

 つい最近、ニコ動やTwitterなんかで韓国人ゲーム配信者の動画が話題になった例の壺ゲーをクリアしてしまったのでその話をする。攻略とか詳しい紹介とかをする気はさらさらないので半分は自慢話でしかないのだけど、本当に嬉しかったので語らせてほしい。

Getting Over It とは

 まあ韓国人の動画は有名なのでここでは省略する。

 開発者は「QWOP」などで知られる鬼畜系ゲームクリエイターBennett Foddy。そしてこのゲームを作った動機が、そもそも人を傷つけるためだという。どうりで普通にプレイするだけで気持ちが辛くなってくるわけだ。至る所に設置された、人を地の底に叩き落とすためのオブジェクトにも納得がいく。

 ただ、これだけは知っておいてほしいというのが一つあって、それは例の動画でしか壺のことを知らない人に対して言いたいことなわけ。何かっていうとつまり、壺はただ鬼畜なだけのクソゲーではなくて、きちんとやればちゃんとクリアできるゲームだし、難所だって練度が上がれば安定感が出て上達を感じられる。難しいゲームや死にゲーってのはいくらでもあって、デモンズソウルやダークソウルだって程度の違いこそあれどその部類だろう。だから壺もそういうことだ。正直言ってクリアするまではマジで製作者に憎しみを抱いてたけど、決してこれが悪いゲームでないのは確かだ。Bennett Foddyも言っている。『プレイヤーの側の能力が足りないだけだ』と。

例の韓国人から見る壺の上達

 いくら時間をかければ上達するしクリアもできると言われたって、動画や配信では崖から落っこちてるところしか見ないので実感が湧かない、というのも無理はない。なので一番有名な韓国人の動画を参考に、どれだけ人間の壺及びハンマーの扱いが上達するのかを軽く説明したい。

 まず例の動画で目を引くのが、左下に表示されている経過時間。12時間である。彼は24時間以内にクリアできなければ壺男のコスプレをするという企画でゲームに挑戦しており、そのためにあの時間を表示していたわけである。で、一通り壺をプレイした俺から言わせてもらうと、12時間かけてみかんの崖(orange hellとも呼ばれる。彼が落っこちたヤバい崖)にようやく到達できるというのは、あまり早い方ではない。ただ彼がプレイする頃には攻略はおろか他のプレイ動画もそれほど上がってなかった時代だろうから、それを考慮すれば彼は決して下手というわけではないだろう。この辺は個人差はあれど、攻略動画がありふれた昨今であれば、これからプレイする人間は少なくとも彼より早くみかんに到達できるはずである。

 で、その崖から落っこちるわけだが、実を言うと彼はその少し前にも同じ場所に到達しており、その初回で落っこちた時には、滑り台と呼ばれる、みかんの崖の2.3個前のステージで留まっている(普通はこっちで留まれることが多い)。その滑り台からみかんの崖に戻ってくるのにかかったのは、たった10分ほど。大した時間はかかっていない。ぶっちゃけ崖から落ちても、そこに到達するまでと同じ時間がかかる、ということはないのである。俺もみかんをクリアするまでに十数回は挑戦したが、やり直すたびに復帰時間が短縮されていくのを感じた。初期地点はそれこそ親の顔より見ることになったが、クリアする頃にはもはや30分もあればみかんに辿り着けるようになっていた。数時間かけて到達した高さは簡単に失われるが、そこまでに蓄積された経験値が失われることはない。復帰時間という明確な指標が、プレイヤーの上達を証明してくれるのだ。

みかんの崖のその先

 例の崖をクリアすると、そこが実質上のセーブポイントになる。その後はスキルの要求される難所が続く代わりに、みかんを含めたそれ以前の地点には絶対に戻ることはないという安心感が得られるわけだ。一応ヘビとかいう強制初期地点の名所もあるにはあるが、俺もそこには一回しか落とされていないし、クリエイターの優しさを感じる。もちろん難度的にはみかんの何倍も難しいのだが、ここまで来る頃にはプレイヤーの技術も相当上がっているので、時間こそかかれどいつかはクリアできるだろう。みかんやそれ以前で心を折られている実況者を見るのも面白いが、そこさえ超えてしまえばそのうちみんな宇宙にだってなれるはずだ。

雑感

 そういうわけで、クリアしました。

 クリア時間は13時間56分。体感では20時間ぐらいに感じていたのだが、動画研究に費やした時間が結構あったことや、正月休みの有り余る時間で休み休みプレイしていたのがその原因だと思われる。

 そこから更に、何かの気の迷いでもう一度クリアした。そのときの所要時間は56分。一時間を切ってしまって俺は天才かと思った。でも俺はあまりセンスのあるオタクではないので、これが結構普通なんじゃないだろうか。蓄積された経験値がそっくりそのままタイムに現れる。これは至極全うな結果なのだ。

 RTA勢は2分で宇宙になる。まあさすがにそこまでいくと化け物だけど、時間をかければ、クリアするぐらいは思ったほどのものではないと俺は思う。問題はそこまでに心が折られるかどうかであって、後半の雪山はいくら難しくてもそれでメンタルをやられるプレイヤーが少ない以上、やっぱり例の韓国人を叩きのめしたみかんの崖が一番ヤバい難所なんだな、とも思う。

 そして最後に。まあ俺がこれをわざわざ書いた理由のほとんどはドヤ顔したいからだ。みかんをクリアできないやつは心が弱いし、みかんに辿り着くことすらできないやつはそもそもゲームが下手すぎる。挑戦してないのは向上心のない雑魚だ。Getting Over Itは弱いオタクだった俺に自信をくれる、素晴らしいゲームだと思う。