オタクは世界を救えない

UQ HOLDER! とかいう来期アニメ化するネギま!2の話をする

UQ HOLDER!(17) (講談社コミックス)

 

UQ HOLDER! 〜魔法先生ネギま!2〜 とは

 その名の通り、魔法先生ネギま!の続編的ポジションの作品である。

 

最初は週刊少年マガジンで連載され、途中から月刊である別冊少年マガジンへ移籍。その際UQ HOLDER! というタイトルに後付けする形でネギまが付け加えられた。この後付サブタイトルに関しては首を捻った者も少なくはないと聞く。もちろん、ネギまの名を冠するようになったのは途中からだが、設定的にはそもそも主要キャラにネギまの登場人物であるエヴァンジェリンやフェイト・アーウェルンクスを配置しており、ストーリーにもネギ先生がバリバリ関与してきたりと、別に路線変更で慌ててネギまに寄せたわけではない……と思う。思いたい。いやまあ、確かに最初はもっとオリジナル部分多かったけど、でもそれならエヴァなんか出さないだろうしなあ。

 ところで、現役オタクの中でネギま!に触れていた世代がどれだけいることだろうか。おそらく世代的には大学生がギリギリかな? 今回はめんどくさいのでネギま知識は前提として話をしたい。その代わりUQ HOLDER!のあらすじはちゃんと説明しよう。調べたわけじゃないが、ネギま好きだったけどUQまったく知らねえわってオタク、多いと思う。

 

ストーリー

 主人公は近衛刀太。ヒロインその1はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。今作ではエヴァは「雪姫」というセンスのない名前で呼ばれており、田舎で教師の真似事をするとかいうよくわからんムーブをしている。そしてエヴァは幼い頃に両親を亡くした刀太をその辺で拾い上げ、良い感じに育て上げ現在に至る。そっからなんやかんやあって刀太はエヴァの血を吸って不老不死の存在になり、いろいろな事件に巻き込まれていくことになる……ちなみにタイトルにもあるUQ HOLDERというのは作中に存在するエヴァを筆頭とする不死者のはぐれ者組織であり(そのため主人公の仲間は全員不死身の類である)、“悠久”の時を過ごす集団という意味で『悠久ホルダー』、というわけだ。あまり深い意味はないんですね。

 ストーリー序盤は“不死者”というテーマの下、似たような境遇の仲間と変な問題に頭を突っ込んだりUQ HOLDERの中でのお話が多かったが、しばらくするとフェイトが出てネギが出てエヴァの昔話が始まって……というようにまさしくネギま!2が始まりだす。もちろん旧作の登場人物がメインになるなんてことはなく、あくまでも敵役や協力なサポーターだったりするまでだ。問題はその設定のために、本来のテーマであるUQ HOLDERという組織の影が薄くなってしまったり、不死が単なる能力としてしか描写されていなかったりする点であろう。

 ちなみにストーリーの出来栄えに関してだが、可もなく不可もなくといった感じ。赤松お得意のラブコメは健在だがいささかパンチが足りないのは否めなく、シリアスなストーリーかと言われればそうでもない。定番とか無難とかがよく似合う形でストーリーは進んでいく。

 

雑感

 で、面白いの? と聞かれれば、少なくとも俺には胸を張ってうんとは言えない。別につまらなくはないし、たぶんアニメも見ると思う。萌えとバトルと言えばネギまだし、今作もその強みは引き継いでいるので何も考えずに見る分にはちょうど良い作品であるのには間違いがない。だが俺がこいつを語る際には毎回一つだけ思うことがある。絶対にネギま!本編の方が面白い。特にキャラがね。UQで可愛いの、たぶんキリヱぐらいだし。幼女フォルムのエヴァも好きだけど、あれが出てくるたびに(昔はよかったな……)って思う中年の気持ちがわかってしまう。そういう作品なのだ。